操体法とは一口でいうなら、からだの痛くない方向、気持ちのよい方向にからだを動かしてからだの歪み(歪体)をとり、不健康、疾病体を健康体(正体)にしていく動き方です。だから気持ちのよい動きならどんな動かし方でもよい。気持ちよく動けば歪みがとれるように人間のからだはできているのです。それが操体法の特徴であってまた自分で色々組み合わせたり応用できる利点にもなっています。
ただし、一度に長くやりすぎるのはよくありません。一度か二度やってよくならないときは、時間をおき日をおいて根気よく実行してみて下さい。
入門その1 〜 ガバッと起きずに操体3分 (万病予防の朝の起き方)
上手な起き方をすれば布団の中でからだの歪みを治すことができ、1日快適に過ごせ万病に効果があります。毎日毎日繰り返している動作なのにそのことを知らないばかりに自分でからだを悪くしている例が多いのです。
1. 伸ばし 朝眼が覚めたら急に動かずに踵であくびをするような気持ちで、踵を直角にしてやや力を入れ交互にゆっくり伸びてみる。ゆっくりゆっくり伸びる感じを味わってみる。
右と左の伸び具合はどうか、どちらか伸び具合がしぶいようであればよく伸びる方の踵だけを3回くらい繰り返します。これだけでもからだの歪みはかなり治ります。
たいていの人の足は左右の長さが違っています。そのため骨盤の歪み、背骨から肩、首、内臓など全身に悪影響をあたえます。異常を感じるようになったときはかなり悪化しています。だから足の長さをそろえてやればよいのです。気持ちのよい動きをしてやれば、骨盤が元の位置に戻ってからだの歪みは治ります。
2. 膝立て 膝を立ててゆっくり左右に倒してみます。上半身はそのままにして下半身を倒れるところまで倒してみます。どちらか倒れにくい方があればそれ以上無理をしないで楽な方を3〜4回倒します。左側に倒したとすれば右側の腰が少し浮いています。しばらくこの状態を保って、気持ちのよいところで腰の力をポトンと抜く。これで歪んだ骨盤も元に戻っているのです。今度は動きの悪かった側へもう一度倒してみると前よりもよく倒れるようになっています。気持ちのよい方向に動いて、しばらくその状態を楽しみ、ポトンと力を抜く、これがポイントです。

3. 全身のひねり
前日の仕事による肩や腕のコリの残りはこれで治せます。ゆっくり感覚を確かめながら左右にひねってみて気持ちのよい動き、悪い動きを探ります。気持ちのよい方がわかればそちらへ3〜4回ひねります。これも気持ちのよいところでしばらくためておいて腰からポトンと全身の力を抜く。首スジや肩、腕などのコリや痛みを治すのによい。コツはくれぐれもゆっくり動き息を吐きながら試すこと。
4. 上半身のひねり 血行がよくなって全身が目覚めたてきたら、上半身を起こしてひねってみる。これもからだの気持ちよい側から起きることが大切。逆にするからからだが壊れるのです。
入門その2 〜 首スジのコリをとる(わずか30秒で瞬間消去)
どの方向が痛いかさぐる 操体法で大切なのは、どの方向に動かせば気持ちよいか、気持ち悪いか(痛い、ひっかかる)をよくさぐることです。ゆっくり動くのがコツ。一口で言えば痛いなどの異常感覚のあるところから気持ちのよい方向へ動くことによって、からだの歪みをとる方法です。その感覚がつかめればからだの故障が半分は治ったのも同然です。
例えば、首スジがこっているとします。首スジがこっているといってもどの方向にも調子が悪い訳ではありません。必ず気持ちの悪い方向と気持ちのよい方向とがあります。
まずその方向を確かめることが必要です。その感覚をさぐるには、首スジに片手を当てて首をゆっくりうごかしてみる。気持ちの悪いとき、よいときの筋肉の状態がわかります。“こる”という感覚のときは筋肉がどうなっているのか?突っ張っているでしょうか、それとも緩んでいるでしょうか、よく確かめることです。
首スジのコリの治し方ですが、右斜め前に倒すと痛いとしますその無理のない程度の痛いところを出発点として指を痛く感じる部分に当てて痛みを感じるようにしておきます。この状態から痛みを感じない方向へ首をゆっくり動かしていきます。痛みから逃げるのです。そして一番気持ちのよい状態で2〜3秒間力をため、その後瞬間的にストンと脱力する。瞬間的にグニャリというように力を抜きます。これを2〜3回繰り返せばコリはとれます。
入門その3 〜 腰痛を治すには(医者にかかる前にお試しを)
1. 足の長さは同じか 腰痛のある人は足の長さを調べて下さい。一番楽な姿勢で寝転んで、足を投げ出し、くるぶしを合わせてみます。誰かに調べてもらうとよい。合わせたつもりでも5mm〜数cm違っていることが多い。長さが違っていると、からだが傾いてしまいますが腰と上半身でバランスをとっているので両足の長さの違いに気がつかないことが多いのです。そのバランスのとり方は人によってまちまちでいろいろにからだが歪んでいます。レントゲンでしらべてもわからないようなわずかな歪みでも背中から出ている神経を圧迫して各種の病気を引き起こしています。そのことが現代医学では理解されていません。腰痛なら医者に行く必要はありません。腰痛のない人でもくるっていることがありますので以下に述べる方法でやれば様々な病気が治せます。
寝転んだまま左右の足をゆっくり交互に伸ばしてみます。どちらか伸びやすいかを静かに感じとります。伸ばしやすい足がわかれば今度はその足だけをゆっくり伸ばします。足だけでなく逆の足の膝や腰、肩が動いても構いません。一番気持ちのよいところで止め2〜3秒間そのままの状態を保ちストンと腰の力を抜きます。これを3〜4回繰り返せば足の長さはそろっているはずです。
2. 膝左右倒しの感覚差は 今度は膝を立ててゆっくり倒してみます。感覚の差はないか。どちらかに倒しにくい側があれば倒しやすい側だけを3〜4回倒します。ゆっくり倒していき、気持ちのよいところで止めて2〜3秒間保ち、その後腰の力を瞬間脱力。左右の感覚差がなくなればよい。これで腰痛はかなり消えます。布団の中でできるので、腰痛が激しく起き上がれない人でもできます。

3. 膝の裏にコリはないか
腰痛のある人には必ず膝の裏にコリ(圧痛点)があり、おさえると飛び上がるほど痛い。腰痛がなくてもからだに歪みのある人は、膝に無理がかかるのでコリがあります。腰痛に限らずこのコリを取り除くことが操体法の基本です。
自分一人では調べにくいにで誰かに調べてもらうとよいでしょう。
まず、膝を立てて膝の裏に指を入れ横断的にさぐってもらいます。グリグリとしたコリがありおさえると非常に痛い。このコリのある足が歪んでいるのです。(足だけでなく全身に影響する)
治し方は、術者は患者の足の甲に手を置き、抵抗を与えながらつま先を上げさせます。上がるところまで上げさせ、2〜3秒間そのままの状態を保ち、その後ストンと足の力を抜かせます。3〜4回もやれば膝の裏のコリは取れています。
入門その4 〜 おやすみ前の腹式呼吸(昼間たまったゆがみをとる)
寝る前に歪みを治す 昼間の家事や仕事などでからだはくたくた。そんな時はすぐに布団にもぐり込みたい。でもちょっと待って下さい。とくに同じ姿勢を長時間続けている人は、どうしても骨格(関節)に歪みがきます。これを治さずに寝てしまうと翌朝首が回らないとか腰が痛いということになります。それを単なる筋肉痛だと思っているでしょうが実は骨の歪みが原因となっています。
寝る前に5分間でいいからからだをいろいろ動かしてみて下さい。どんな動かし方でもよいのです。からだの歪みを見つけ治す動きですからゆっくり力まず動かし、各部分の異常感覚を探って下さい。もし痛いところがあれば無理せず反対の楽な動きを多めに繰り返してください。
操体法の基本運動
1) ゆっくり両手を水平に上げ、ひと息ついたら脱力してバサッと落とす(3〜5回)
2) 膝を高く上げ、強くドンドン足踏みをする(30〜50回)

3) 自然体で立ち、静かに上体を前に倒す。頭から起こし後にそらす。

  無理をしないこと、息は吐きます。(3〜5回)

4) 側屈。足の重心は必ず倒す反対側の足に移す(3〜5回)
5) 上体をひねる。重心はひねる側の足にかける(3〜5回)
6) つま先立ちをしながら両手を上げ、ひと呼吸バサッと落とす(3〜5回)
1日10回の腹式呼吸
体操がすめば腹式呼吸をぜひ実行してください。長生き(息)したいのなら長い息のできる腹式呼吸を覚えることです。どうせ人間死ぬまで息をしなければならないのですから、いい息の仕方を知らないと損というものです。これを毎晩続けていると起きて仕事をしている時でも下腹に力が入るようになります。腹の坐った人というのはそういうことです。さて、腹式呼吸のやり方ですが、まず仰向けに寝て両足は腰の幅くらいに開き足先は内側に向け、膝頭を軽くくっつけてください。このとき普通の人なら背中(腰の
上あたり)は手のひらが入るくらい隙間があります。次に下腹をできるだけ凹ませゆっくりと息を吐き出します。すると浮いた背中がピッタリと床にくっつき尾てい骨と恥骨が浮き上がるようになります。肛門を締めるようなつもりで力を入れるとよいでしょう。今度は息の吸い方ですが、これはあまり気にしなくてもよく下腹で吸うつもりでやればよい。全部吐ききれば自然に息がつけます。このとき背骨や体中の骨が驚くほどよく動くのがわかるはずです。長い息ができるほどよいやり方です。